中国、アートの力

こんにちは、

場所を移して香港の話。

香港島にある巨大なショッピングセンター、パシフィックプレイスの一角ギャラリースペースで、エンジェルのポップなオブジェを見つけた。

近づいてみて、よくのぞいてみて、にやりとしてしまう。革命の父か。なんという皮肉、ユーモア、愛嬌だろう。他にもバニーになった父もポップに並んでいる。僕も一つ欲しくなってしまった。

表現に寛容な香港だからこんなことができるのかと思った。

しかし、説明を読んでみると作者のQu Guangciは北京で活動している有名なアーティストだという。

アートの枠に入ると、表現に対して寛容になるのだ。

一方で、1億個の陶磁器でできたひまわりの種をテートモダンに敷き詰めた艾未未アイ・ウェイウェイ が北京で4月から3ヶ月間拘束された。香港ではそれに抗議するポスターがアートギャラリーなどの前に貼られてるのを多く目にした。

彼の作品も政治的なものが多い。ひまわりの種の作品は、一億個の種を手作業でしかも低コストに実際に作り上げることのできる今の中国を表現していると本人が言っている。ひまわりは革命の象徴なのだから、その結果が、、と解釈すると過激な作品だ。

ではアートの枠とは何なんだろうかと、ふと考えてみた。

つまるところ、送り手か受け手がアートと言えばアートになる。曖昧な部分は、あえてアート展としたり、ギャラリーやミュージアムが展示したりすることでアート作品として一定の枠を持たせることになる。アイ・ウェイウェイの作品は曖昧な部分ではないけれど、テートモダンやグッゲンハイムといったミュージアムを舞台にするのはまさに王道だから、ここには意図があるんだろう。

僕が見たエンジェルくらいではくすりと笑うくらいの皮肉だけれど、アイ・ウェイウェイのようにパワフルで影響力のある作品が出てくると、アートに対しての寛容さも失われていくのかも知れない。

 

香港 パシフィックプレイス

ギャラリー前のポスター
kosuke shimada / 嶋田 耕介
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