kosuke shimada
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昨日の続き、グラスゴーの話。
グラスゴーで活躍した工業デザイナー、建築家、アーティストであるチャールズ レニー マッキントシュは、工業の繁栄が背景に生み出されたと言えるだろう。
僕は学生のとき椅子が好きでデザインをはじめたので、彼の椅子も当時六本木のアクシスビルにあったカッシーナによく見に行っていた。しかし、この座りにくそうな椅子のことは、当時あまりよく理解できなかった。
19世紀の中頃にグラスゴーで生まれた彼は、産業革命後、粗悪な日用品が大量に生産された反動で起きた、アーツ&クラフツや日用品に対して装飾がされていくアールヌーボーのまっただ中にいた。彼のデザインは他のアールヌーボーの例に漏れず装飾を加える、足し算のデザインだ。
彼が改装デザインを手がけたグラスゴー美術学校を訪れて、今でも評価の高い彼のデザインの魅力をようやく理解する事ができた。
古い石造りの建物に開いた大きな開口、そこに格子に組んだガラスがきれいに収まっている。これが19世紀後半のデザインか。装飾はあるが無駄には感じず、後のモダンデザインの礎になったことは明らかだ。すべてを飾り立てるのではなく、要素を抑えた整然と整理をした中に、装飾はオブジェとしてバランス良く機能している。
そう、カッシーナの椅子は、このオブジェの部分だったんだ。
この学校の内部は、ここの学生がガイドをして案内してくれた。顔にいくつもピアスのある学生が一生懸命に説明をしてくれたのが微笑ましかった。
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