kosuke shimada
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今日は、お米の輸出の話。
オーストラリアは240%の食料自給率があり、農産物については鎖国とも言える厳しい政策をとっている。種一つ持ち込む事も難しい。
確か、2009年の暮れに、お米をオーストラリアで販売するので協力をして欲しいとお話を頂いた。お米に関しては定期的に日本から輸出ができる糸口が見つかったという。
依頼をしてきてくれた木田さんは後に設立した現地法人の代表で、浦安の米屋の経営に関わられていた。彼は奥さんがオーストラリア人で、シドニーでの生活経験もあり、日本食が高級化し伸びている事や景気の状況もよく理解されていた。そして、その市場に見合う良いお米が無い事をチャンスとも見ていた。
彼の思いは熱く、200年以上続く日本の米屋の挑戦であることや、現地で本物のお米を広めたいということ、日本の農業の成長にもつながるということをよくよく話して頂いた。
そして、僕は、オーストラリアと日本の架け橋という思いを込めた企業ロゴを作成し、日本の最高のお米ということを実直にブランドにした。
輸出に関する手続きも、目に見える形で、その熱い思いさえ理解してもらえれば、進みも早かった。とても無理だと話していたJETROの方も、税関の方もいつの間にか応援に回って頂くようになった。2010年の4月には現地法人をができ、そうして月に5トンのオーストラリアへの輸出がはじまった。
現地での地道な営業活動の成果もあり、今では個別配送をする個人のお客様はもとより、日本食レストランでも浸透し始めている。その一つにシドニーでは一二と言われるSake Restaurantがある。最近僕も連れて行ってもらった。日本の食材を使った高級店がほぼ満席だ。日本の板前さんが美味しいお寿司を握ってくれた。これは僕も嬉しかった。とくにシャリがいい、そりゃそうだ。
日本では、3月に本当に悲しい事が起こってしまった。日本の農業関係の方々にもお見舞い以外にかける言葉も浮かばない。しかし、オーストラリアを見ると日本食の魅力は、原発事故の影響による恐怖に勝っている。これはおそらく他の国でも同じはずだ。
お米の輸出事業も厳しくなるんじゃないかと相談も受けたし、正直、僕もそう思っていた。影響はこれからかもしれないけれど、必要以上の心配によって悲観的な現実を作リ出すよりは、明るい種を見つけて進めることが大事だと教えられた。
kosuke shimada / 嶋田耕介
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